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岩手県乾麺工業協同組合
理事長
高橋 信教
組合員数
9名
出資金
21,000,000円
住所
盛岡市上田1丁目11番29号
電話
019-624-4736
FAX
019-624-4737

◆盛岡冷麺を全国ブランドに 〜 組合65年の歴史 〜
<盛岡冷麺のルーツ>
冷麺のルーツは朝鮮半島の北西・平壌で、昭和の初めに日本へ。のちに盛岡に定住した人たちが故郷の味を懐かしみ、戦後になって盛岡市内に店を出したのがはじまりとされている。
ただし、本場の冷麺は、そば粉・でんぷん・小麦粉を練り合わせて作る黒い麺に対し、盛岡冷麺は小麦粉とでんぷんがベースの白い麺である。
 TVや雑誌等に数多く取り上げられている「盛岡冷麺」。その辛さと旨さの絶妙のバランス、そして何ともいえないあの麺の食感で、現在ではすっかり全国ブランドとして定着した感がある。この「盛岡冷麺」を岩手県の代表的な特産品に押し上げ、全国的なステータスの獲得に大きく貢献した『岩手県乾麺工業協同組合』のルーツは昭和15年にまで遡る。当時組織された「岩手県製粉工業組合」と「岩手県麺類工業組合」が昭和19年に統合、そして組合法の改正に伴い昭和22年に協同組合として組織変更、昭和56年に現在の名称に変更したという県内でも有数の歴史ある組合である。
 しかし、その歩みは決して順風満帆なものではない。昭和15年の設立当時には100社を超えた組合員が、昭和20年代後半まで続いた国民の食糧確保のための統制経済から自由競争時代に移り、現在のような食品の多様化が進展する中で次々とその姿を消して行った。現在の成功は、いつの時代においても県産の材料にこだわりながら自分たちの強みを活かし、常に生き残りを賭けた事業展開を継続し、それに勝ち続けてきた成果だといえるだろう。

◆ブランド定着までのあゆみ
 商品の多様化が進み、様々な品物が溢れている今日においても、消費者の購買意欲を掻き立て、変わらぬ価値と安心感を約束する「ブランド・イメージ」。物が溢れ、とかく価格差だけで商品の優劣が判断されがちな現在、商品の特性や安心感・付加価値などを消費者に正しく理解してもらうのに大きな効果をもつ戦略のひとつである。
 ブランドの構築には、長い年月とコストをかけて商品の信用を消費者心理に植付けていく作業が必要であるが、組合にとってその契機となったのは昭和57年に生き残りを賭けて取り組んだ県の地場産業総合振興事業だろう。時代のニーズから乾麺の需要が衰退していた当時、消費嗜好に適した全く新しい麺の創作に着手したのである。当該事業で当時日本では生産されていなかった製麺機を本場韓国から輸入、試作を繰り返すとともに消費者の嗜好調査を徹底し、半乾燥冷麺の商品化を実現した。その後、岩手県内の冷麺ブームが追い風となり売上高が飛躍的に増加、その需要に対応するべく平成2年には冷麺工房(共同工場)を設置した。その後も、再三にわたる消費者調査を通じて製品改良を繰り返し、首都圏と県内向けに二本立てたきめ細やかな販路開拓、流通業者や飲食店業界と連携したPR等を展開し、「盛岡冷麺」の知名度の向上に向けて取り組んでいる。
ちなみに息の長いブランド・イメージが確立されていく過程では、一般的に、対象となる商品は「市場浸透速度」が比較的遅く、「リピート率」がかなり高くなるという特徴を示すといわれている。「盛岡冷麺」はこのような特徴を見事に示しているのではないだろうか。

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