秋田県の伝統的工芸品「大館曲げわっぱ」の
業界情報です。
理事長 伊藤 国弘


大館曲げわっぱは、きこりが杉柾で曲物の器を作ったことに 始まったとされています。
藩政時代に大館城主佐竹西家が領内の豊富な秋田杉に着目し、武士の内職として奨励しました。農民には年貢米の供出代替として、山から城下まで原木を運搬させたといいます。
製品は酒田・新潟・関東などへ運ばれました。江戸時代末期から近代にかけて職人たちが技法を受け継いできましたが、プラスチックの出廻り等により他産業への転向が相次ぎました。
現在の本物志向の風潮に相まって、大館の曲げわっぱは、多くの人に愛されています。
大館曲げわっぱは、天然秋田杉の柾目と香りが冴え、木目まっすぐで弾力に富んでいます。
軽さと、明るく優美な木目が生かされた製品には、シンプルな味わいと気品があります。



私達大館曲げわっぱ業界では、平成12年度に意匠開発事業に取り組み、現代の生活にマッチした新しい曲げわっぱを開発しました。
これは、従来の曲げわっぱが持つ「器」のイメージとは異なる斬新なアイデアを取り入れ、ハンガー、CDラック、ワインラック、写真スタンドなどを発表し大きな話題を呼んでいます。
これらの新しい曲げわっぱを広くPRするために、昨年9月1日から11日まで、東京西池袋の全国伝統的工芸品センター特別展示場で「大館曲げわっぱ新作展」を開催しました。
ここでは、展示の手法も生活に密着した演出を試みた他、「製作実演コーナー」や「大館曲げわっぱ今昔講座」など多彩なイベントを通して多くの曲げわっぱファンを魅了しました。
業界では、産地が生まれ変わる大きな転換期であり、今後の活性化に期待が寄せられている他、曲げわっぱ職人の励みになっています。



従来の食器の枠にのみ留まっていては如何に優れた作品・商品であっても減少の一途をたどる。伝統工芸で守るべきものは技法であって姿・形は時代の変化にあわせて進化させていかねばならない。
今回の開発にあたっては衝立のように「曲げもの」からあえて「曲げないもの」への挑戦も試みた。今後とも新しい生活の様式にマッチしていくような商品開発をしていって欲しい。


私たちの業界では、秋田県中小企業団体中央会のご支援により平成10年秋から ホームページでの情報発信をはじめています。
様々な職人の特徴ある曲げわっぱを紹介しており、直接欲しい方には組合に注文が入るようになっておりますので是非ご活用下さい。

写真スタンド

ワインラック

スリッパ掛け・ハンガー

CDラック


大館曲ワッパ協同組合
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秋田県大館市御成町1丁目3番1号
TEL 0186-49-5221
FAX 0186-49-5221
http://www.chuokai-akita.or.jp/magewappa/
Email:wappa@galaxy.ocn.ne.jp

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