私は長年、病院や老人保健施設に看護師として働いていました。

働いていて感じたことですが、病院や施設は人数が多いためどうしても1人にかけられる時間が制限されます。

もっと1人ひとりに時間をかけてケアできたらどんなにいいことだろうと考えるようになりました。

幸い私と同じようなことを感じていた同僚が数人いました。その人たちといろいろと意見交換をするようになり、次第に自分たちで創業できないかと考えるようになりました。

それからは他の施設を見学したり、介護についてもっと勉強したりと、益々自分たちの理想が広がっていきました。
 
 

創業を決意したまではよいのですが、いざ始めようとしても「資金・土地・建物」すべてが無い状態でした。これらをどうするかという準備をしながら同時に営業活動もしました。

営業活動ではケアマネージャーさんの事業所などを回りましたが建物も無い状態だったため「この人たちに紹介しても本当に大丈夫なのか?」と思われたものです。

ようやく「資金・土地・建物」にも目処がつき事業がスタートできましたが、経営ありきではなく心を込めたサービスを、1人ひとりに精一杯提供し続けることが一番と言い聞かせました。

今になって思うと苦労したというよりは必死でしたね。

 
  「おもいやり・生きがい・かたりあい」をモットーに自分達の納得したサービスを心掛けています。

お年寄りは「瞬間、瞬間」が大切だと思っています。家ではなかなか笑顔を見せない方でも、当施設で楽しそうにしている様子は写真を撮ったりしてご家族に報告しています。

又、当施設は機能訓練や口腔関係にも力を入れています。個別機能訓練指導を看護師の資格を持っている人が担当していますし、口腔関係は歯科衛生士に指導してもらっています。
 
  私たちが介護事業を創業してから10年が経とうとしていますが、今後は若い世代を育てていかなければこの事業は続かないと感じています。

私はやる気のある人材については積極的に外の世界で勉強して欲しいと思っています。

当施設だけしか知らないということがないようにしたいと思っています。

確かに優秀な人材を失うことは辛いですが、たくさん勉強していつかは当施設に戻ってきて欲しいと思っています。
 
  「エネルギー・情熱」が大切だと思います。考えているだけでは何も始まりません。

思い立ったらそのことに真っ直ぐ突き進むことだと思います。そして気が付けば必ず超えなければならない壁が立ちはだかっているものです。

私の場合は創業者の4人が非常によいバランスで動いていたと思います。1人が出すぎると1人がなだめるなど人材面で非常に恵まれたと思いますし、同時に感謝しています。

本当によい人と出会うことが重要なことだと思います。